神奈川県議会議員  ます晴太郎オフィシャルサイト

9月19日一般質問「動物愛護センターにおける収容状況の改善について」

9月19日令和5年第3回県議会定例会において一般質問を行いました。

以下が内容です。

 

桝 質問:

動物愛護センターでは、170頭を超える猫が収容されており、この数は、センターで想定している猫の最大収容頭数である90頭の倍近くであった。

現在のような、想定を大幅に超える猫を収容している状況が続くと、飼育管理が大変なだけでなく、譲渡の推進や動物愛護の普及啓発といった、センター本来の機能に支障が出るのではないかと懸念している。

そこで、動物愛護センターに依然として想定数を大幅に超える猫が収容されている現在の状況について、どのように認識しているのか、また、その原因となっている多頭飼育崩壊対策を含め、どのように改善を図っていくのか、見解を伺う。

 

 

黒岩知事 答弁:

次に、動物愛護センターにおける収容状況の改善についてお尋ねがありました。

現在動物愛護センターでは、犬は約40頭、猫は想定を大幅に超える約200頭を保護しています。

令和2年度以降、こうした状況が続いており、その多くは、いわゆる多頭飼育崩壊が起こった飼い主からの引取りによるものです。

県ではこれまで、センターで保護した犬や猫について、ホームページでの紹介や、オンラインを含めた譲渡会の開催などにより、譲渡を進めてきました。

しかし、保護した犬や猫は、飼育管理や病気の治療に加えて、譲渡できるように「人に馴らす訓練」が必要であり、保護頭数の増加に伴い、職員の負担が大きくなっています。

特に多頭飼育崩壊によって保護した犬や猫は、なかなか人に馴れず、譲渡できるようになるまで半年以上かかることもあるため、飼育する期間が長期にわたり、保護頭数の増加につながっています。

そこで県では、センターの収容状況を改善するため、従来の譲渡会などに加え、緊急的な対策として、獣医師を養成する大学やペット関連の企業等に一時的に預かっていただけるよう、速やかに調整していきます。

また、保護頭数を増やさないためには、その大きな原因となっている多頭飼育崩壊を未然に防ぐことが重要です。

そこで、現在、10頭以上の飼い主で、生活に困窮している方を対象に行っている「無料の避妊去勢手術」を、飼育の状況に応じてそれ以外の方にも柔軟に行うことができるよう、検討していきます。

併せて、多頭飼育崩壊は、生活困窮など、福祉的な要素との関係も深いことから、専門家による講習会に、福祉部門の関係者にも参加いただき、連携を強化していきます。

こうしたことにより、動物愛護センターの収容状況の改善に、着実に取り組んでまいります。

 

 

(要望)

最大収容頭数を大きく上回る現状認識についてお答えいただきましたが、この状況を改善するため、一時的にペットの関連企業や大学に依頼をされていくということでありますが、これはあくまで一過性の対応に過ぎないのではないかと思っております。最近では企業でペットを飼うことで業務効率があがるといった事例もありました。そういったことも含めて様々な企業や大学等にも依頼をしていく、そして協力を求めていくことが重要であります。また、譲渡に関する広報にも力を入れられていますので、引き続き、より多くの県民や企業へのPRを行っていただきたいと思います。私の知人でも、動物愛護センターは少し怖いイメージがあるといった声もありました。でも、そういった写真等を見ることによって、全然印象が変わった、そういったこともありますので、まだまだ認知されていない部分が多いと思いますので、そういった点も是非お願いいたします。

県内では犬や猫の多頭飼育崩壊現場が現在進行形で何か所もございます。このセンターの現状を改善し、新たな現場にもご対応をいただきたいと思います。一部のボランティア団体から、大きく収容頭数を上回っていますが臨時収容施設、これ作っていただいたわけですが、有効に使用されていないのではないかといった指摘もあります。これは、譲渡が進まない動物が増えたことによる人員不足で、そこまで対応はできないといった状況が原因なのではないかと考えられます。センターの職員は通常業務以外の仕事が増え、疲弊している状況でありました。一刻も早く、この人員体制の見直しを行うべきであると考えます。そして見直しだけではなく、獣医学部の学生にも力を借りるといった工夫も取り入れていただき、引き続き、殺処分ゼロに向けた取り組みを継続していただくことを要望させていただきます。