9月22日令和5年第3回定例会での市川和広県議による一般質問を掲載させていただきます。
以下が内容です。
市川和広議員 質問:
慢性腎臓病は、自覚症状に乏しく、本人が気づかないまま進行してしまうことが多い病気であり、重症化して人工透析に至ると、生活の質が大幅に低下するだけでなく、医療財政にも大きな影響を与える。
他県の先進事例も参考に、慢性腎臓病のリスクのある県民に早期に予防を促す取組を実施していくことは大切だと考える。
また、本県では糖尿病以外の原因で新たに人工透析が必要となる患者が増加していることから、こうした患者を減らしていくことも必要であると考える。
そこで、今後、慢性腎臓病対策に具体的にどのように取り組んでいくのか、見解を伺う。
健康医療局長 答弁:
慢性腎臓病は、主に糖尿病や高血圧などの生活習慣病の悪化により発症し、重症化すると腎不全に至り、人工透析や腎移植が必要となることから、早期に発見し、治療につなげることが重要です。
県ではこれまで、慢性腎臓病の正しい知識を広めるため、リーフレットの配布や講演会などを行うとともに、医師会などの協力を得て「かながわ糖尿病未病改善プログラム」を作成し、糖尿病による腎臓病の未病改善に取り組んできました。
こうしたことにより、県内で新たに透析が必要となった患者数は、平成28年からの5年間で4%減少し、特に糖尿病を原因とする方は人口10万人あたり9.6人と、全国トップクラスの少ない人数となりました。
一方、糖尿病以外の原因で、新たに透析が必要となった患者は4%増加しており、今後はより幅広い方々に対し、慢性腎臓病の未病改善に向けた取組を行っていくことが必要です。
そこで県では、国民健康保険の運営主体である市町村と連携し、特定健康診査を活用して、患者の早期発見と早期受診につなげる取組を検討していきます。
具体的には、この取組を先行して行っている横須賀市の事例を各市町村と共有し、地域の実情に合わせた、いわゆる横展開について提案していきます。
そして、県は事業に関する相談に応じるとともに、地域の専門医療機関の診療状況のデータを整理し、市町村に提供していきます。
また、こうした取組は、国民健康保険以外の健康保険の事業主体においても、積極的に行っていただきたいと考えています。
そこで、民間企業等の健康保険団体である「協会けんぽ」や「健保連」も参加している「神奈川県慢性腎臓病診療連携構築協議会」の場を活用し、情報共有や事業提案を行っていきます。
こうした取組により、慢性腎臓病対策の未病改善を着実に進めてまいります。
要望はありません。