9月19日令和5年第3回定例会において一般質問を行いました。
以下が内容です。
桝 質問:
畜産業は、一たび家畜、畜舎や草地などの経営基盤が失われれば、それを回復することは困難、あるいは回復に長時間を要する産業であり、このまま飼料等の価格が高止まりし、本県の畜産業が衰退するような事態となれば、県民への県産畜産物の安定供給や食料への正しい知識の普及が損なわれるだけでなく、飼料作物を生産する農地の活用や農業生産に必要な堆肥供給が減少するなど、本県農業の振興に極めて重大な影響を与えることになりかねない。
そこで、生産コストの急騰、高止まりにより、畜産経営が厳しい中、どのように本県の畜産業を支援していくのか、見解を伺う。
黒岩知事 答弁:
最後に、県内畜産業の支援についてお尋ねがありました。
様々な物価が高騰している中、畜産物の生産コストのうちで、最も大きな割合を占める飼料の価格は、高止まりが続いています。
畜産業は、生産コストを販売価格に転嫁することが容易でないことから、飼料の価格高騰が畜産農家の経営を圧迫し、牛乳を生産する酪農家などは、特に厳しい状況に立たされています。
県では、この飼料価格の高騰による負担を軽減するため、これまでも補正予算により、畜産農家に対して支援を実施してきました。
また、国際情勢等の影響を受けやすい輸入飼料からの脱却を進めるため、地域の食品残渣を飼料の原料とするエコフィードの活用や、飼料用米をはじめとした国産飼料の利用促進に取り組んでいます。
飼料価格の先行きが見通せない中、県内畜産業が継続していくためには、県は今後とも適切な支援と、国産飼料への転換を促進していく必要があります。
そこで、下半期分として、9月補正予算案において国の制度がない、牛の飼料となる輸入乾牧草の購入に必要な経費を計上しました。
この追加の支援により、まずは経営等の安定化を図りつつ、国産飼料の利用促進に向けた取組を加速させていきます。
具体的には、畜産農家と食品残渣を排出する食品事業者を広くつなげていくため、現在、民間事業者と共同で実証実験中のマッチングプラットフォームを11月から本格稼働させます。
また、飼料用米については、作付農家に奨励金を交付しつつ、食用米と比較して手がかからないことなどの利点を積極的に周知し、休耕田を活用した作付面積の倍増を目指します。
今後も、輸入飼料から国産飼料への転換を着実に進め、安定した畜産経営が継続できるよう、県内畜産業を全力で支援してまいります。