9月19日令和5年第3回県議会定例会において一般質問を行いました。
以下が内容です。
桝 質問:
耳が聞こえにくい事によって、家族間での孤立や、日常生活でも支障が生じてしまうだけでなく、人とのコミュニケーションがとりにくくなることで自らの楽しみをあきらめてしまう事につながり、こうした状況は、加齢性難聴者を含め、聞こえづらい方々にとっての「情報コミュニケーションバリア」であると考えている。
県では誰もが住みよいバリアフリーの街づくりを推進し、県民一人ひとりが理解し合う、心のバリアフリーも進めているが、耳の聞こえづらい県民が不便やストレスを抱えないようにするため、まずは県民の心のバリアを取り除き、「情報コミュニケーションバリア」の存在を理解し合う土壌を形成していく必要があると考える。
そこで、加齢性難聴者を含め、聞こえづらい方々の情報コミュニケーションバリアの解消に向け、県はどのように取り組んでいくのか、見解を伺う。
黒岩知事 答弁:
次に、情報コミュニケーションバリアについて、お尋ねがありました。
超高齢社会が進展する中、加齢に伴い難聴となる方は、今後増加していくことが予想されます。
加齢性難聴の方は、聞こえづらさや、自身が「聞こえない」ことを、なかなか言い出せない状況から、得られる情報が少なくなり、周囲との関わりが徐々に疎遠になりがちです。
こうした、情報コミュニケーションにおけるバリアを解消するには、一人ひとりが、お互いの状況を理解し合い、相手の立場に配慮しながらコミュニケーションをとることが必要です。
県では、令和4年10月に「みんなのバリアフリー街づくり条例」を改正し、障がい者等が快適に施設を利用するための情報提供の工夫や、意思疎通の支援などを明確化しました。
例えば、聴覚障がい者や高齢者など、必要とする方には、筆談ボードやメモ帳を事前に用意し対応するといった、ソフト面での取組について、施設管理者などに向けた研修会等で働きかけていきます。
また、「加齢性難聴など、聞こえづらい方にはゆっくりコミュニケーションをとる」といった、当事者の目線に立ったコミュニケーションの大切さについて、県民に向けてホームページやSNSなどで情報発信します。
さらに、地域で高齢者の生活支援や、支え合いによる社会参加の仕組みづくりを行う生活支援コーディネーターの研修にも、こうした視点を取り入れていきます。
県は、こうした取組により、加齢性難聴など、聞こえづらい方が地域で安心して暮らせるよう、情報コミュニケーションにおけるバリアの解消を進めてまいります。
(要望)
加齢性難聴者について、県民へSNS等を通じて周知啓発、そして生活支援コーディネーターの研修等にも取り入れて頂けるということで、前向きな答弁を頂いた。
超高齢化が進んでいく中で、障がいと健常の狭間にいる方はたくさんいる。
今回、取上げさせていただいたことで、まずは、そういう方たちがいるということ。今後、そういう方が県内にどのくらいいるのか、調査を行うことも重要だと考える。そういった方々にどういう課題やニーズがあるのか、ぜひ探って頂きたい。
また、県として補えない部分があれば、専門的に扱っている諸団体もあり、NPO団体等に依頼することも重要であるので、今後、さまざまな施策展開に盛り込んで頂くことを要望する。