神奈川県議会議員  ます晴太郎オフィシャルサイト

9月23日一般質問「犬や猫の多頭飼育対策について」

令和2年第3回 県議会定例会において一般質問を行いました。

内容は以下です。

 

桝 質問:犬や猫の多頭飼育対策について
飼い主が飼育できる数以上に犬や猫を飼育し、ついには適正に管理することができ
なくなったり、騒音・悪臭など近隣の生活環境に影響が及ぶなど、不適正な多頭飼育が
、近年、社会的な問題となっている。
県では、多頭飼育対策として、神奈川県動物の愛護及び管理に関する条例を改正し
、届出制度を開始したが、不適正な多頭飼育の問題は県内においても発見されている。
多頭飼育崩壊に至る背景には、経済的困窮、独居高齢者の認知症、精神疾患といっ
た飼い主側の要因が複雑に絡んでいることもあり、市町村と連携した対策が重要となる
。また、行政で十分に対応できないところを動物愛護ボランティアが関わっている事例
が多く、ボランティアの力が欠かせない。
そこで、不適正な犬や猫の多頭飼育対策について、県はどのように取り組んでいく
のか、見解を伺いたい。

健康医療局長 答弁
健康医療局関係の御質問にお答えします。
犬や猫の多頭飼育対策についてお尋ねがありました。
犬や猫の不妊去勢手術をせずに、頭数が増えすぎてしまい、不衛生な状況下で飼育してい
る不適正な多頭飼育は、犬や猫のいのちを脅かすだけでなく、臭いや鳴き声、害虫の発生な
どにより、飼い主や周辺住民の生活環境を悪化させます。
このような不適正な多頭飼育は、できるだけ早く把握し、対策を講じる必要があります。
そこで、県では、犬又は猫を10頭以上飼育する飼い主に対して適切な飼い方の助言を行う
ため、「動物の愛護及び管理に関する条例」を改正し、昨年10月から、多頭飼育に関する届
出制度を開始しました。
この制度により、本年8月までに、保健福祉事務所に届出があった93件のうち、18件の飼
い主に対して、不妊去勢手術の実施などの指導を行うとともに、既に把握している未届の飼
い主に対しても、届出や飼い方の指導などを行っています。
また、犬や猫の頭数が増えすぎてしまった不適正な多頭飼育の飼い主は、生活困窮や周辺
住民とのトラブルなど様々な問題を抱えていることがあります。
そのため、保健福祉事務所では、飼い主が抱える問題に応じて、市町村、動物愛護ボラン
ティア、ケースワーカーなどと連携して、飼い主とコミュニケーションを図りながら、犬や
猫を引き取ることなどに粘り強く取り組んでいます。
県では、今後も、関係機関との連携をより一層深めるとともに、動物愛護ボランティアの
ご協力をいただきながら、飼い主ごとに、きめ細かく対応し、解決に向けて取り組みます。
具体的には、犬や猫がそれ以上増えないよう指導しながら、計画的に引取を行って飼育頭
数を減らしたり、飼い主が生活保護を受けているなど経済的事情がある場合には、動物愛護
センターの引取手数料を免除するなど、飼い主に寄り添った対応を行っていきます。
さらに、早期の段階から、飼い主に対する適切な飼い方の助言を行うことが重要なため、
多頭飼育の届出制度について、県の広報媒体等を活用することにより、飼い主はもとより、
広く県民の皆様に周知するとともに、多くの方々から多頭飼育の実態に係る情報を提供して
いただきます。こうした取組を着実に進め、犬や猫の多頭飼育対策にしっかりと取り組んでまいります。
私からの答弁は以上です。

桝 質問
犬や猫の多頭飼育対策についてであります。
今もご答弁ありましたが、多頭飼育の崩壊に至る背景というものには、先ほど申しました
が飼い主側の原因がほとんどであります。
この多頭飼育のみつかる経緯は、近隣の住民からの報告や、動物愛護ボランティアの方か
らの報告であり、それを受けて自治体の職員、そして保健所、または動物愛護センターの職
員の方が同行して解決に向けてアプローチをしていくことになります。動物を引き取る関係
でいえば動物愛護センターの管轄ではあるのですが、やはり飼い主である人への福祉的なア
プローチでありますけれども、それが非常に重要になってくるのではないかと思います。
そういった状況の中で、県においては関係機関、ボランティア団体と連携をするスキーム
は築いているようですが、今後この飼い主に対する福祉的なアプローチをどのようにしてい
くのか伺います。そして、この殺処分ゼロを目指す神奈川県として、この不適正な多頭飼育
の問題についてはさらに今後目を向けていく必要があるのではないかと思いますが、健康医
療局長の見解を伺います。

健康医療局長 答弁
健康医療局関係の再質問にお答えします。
不適正な多頭飼育対策については、様々な関係機関との連携が不可欠であり、飼い主の
高齢化や、生活支援が必要な場合などには、それぞれの事例に応じて、福祉部門と連携して
取り組んでいます。
現在、環境省では、「社会福祉施策と連携した多頭飼育対策に関するガイドライン」の
作成を進めておりますので、県としては、今後、こうした国の動向も注視し、ガイドライン
に沿った取組を検討してまいります。
私からの答弁は以上です。

【要望】
犬や猫の多頭飼育対策についてです。
今回、多頭飼育崩壊を取り上げさせていただきました。
この問題は、浮き彫りになっていないだけで、県内でも現在進行形で多数の事例があると
承知しています。
繰り返しになりますが、今発見されている事例で、今年に入ってから平塚市で15頭、厚木
市で40頭、大和市で20頭、そして県央のある町では130頭近くの多頭飼育が確認されています。
先ほども福祉的なアプローチについて、国の動向に注視していくということでしたが、そ
れでは遅いのではないかと思います。
そして、それがうまく機能していない部分もあるので、多頭飼育が社会問題になっており
、県内でも見つかり始めているのではないかと思います。
多頭飼育崩壊に至る背景には、飼い主に原因があるということで、そこにアプローチをし
ても、飼い主が駄目だと言ってしまえば、そこで終わってしまうので、様々な角度からアプ
ローチを進めていくことが大切だと思います。