令和3年第3回 県議会定例会において一般質問を行いました。
内容は以下です。
桝 質問:多頭飼育対策について
犬や猫の多頭飼育崩壊は、全国的に大きな社会問題となっており、県内においても複
数の事例が発生している。
多頭飼育崩壊の背景には、飼い主の経済的困窮や社会的孤立などの存在が多いことか
ら、「人の問題」に対しても対応していく必要があり、環境省が作成した「人、動物、
地域に向き合う多頭飼育対策ガイドライン」においても、保健福祉事務所、動物愛護セ
ンター、市町村等の関係機関が連携して取り組む重要性が示されている。
また、避妊去勢手術等を早期に行うことが重要であるが、所有権が飼い主にあるため
、その同意が必要となるなど、課題がある。
「ペットのいのちも輝く神奈川」の実現のためには、これらの課題解決に向けて継続
的に取り組んでいく必要がある。
そこで、現在の多頭飼育対策の取組状況と、今後の取組について、見解を伺いたい。
健康医療局長 答弁
健康医療局関係の御質問にお答えします。
多頭飼育対策について、お尋ねがありました。
不適正な多頭飼育は、全国的に、社会的な問題となっていて、県内においても複数発生
しており、その対策は、大変重要であると認識しています。
また、多頭飼育の問題には、動物の飼育状況や、悪臭などの、周辺の生活環境への影響
だけでなく、飼い主の生活支援も考慮して、関係機関が連携して取組む必要があります。
そこで、県では、令和3年3月に、多頭飼育対応指針を策定し、保健福祉事務所や市町
村等が連携して、見守りチームを組織し、多頭飼育の飼い主に寄り添った支援をする体制
を整えました。
さらに、多頭飼育の飼い主については、経済的に困窮している事例もあります。
そのような場合、経済的な理由で、動物に避妊去勢の手術を行えず、飼育頭数のコント
ロールができなくなり、多頭飼育崩壊に至る事例も見受けられます。
こうした状況に対し、かながわペットのいのち基金を、避妊・去勢手術にも使えるよう
にするため、令和3年3月に基金条例を改正し、飼い主の同意を得た上で、県が支援を行
うこととしました。
こうした取組により、繁殖の防止や不適正な飼育状況の改善を図るだけでなく、この機
会に、飼い主に対し指導を行い、適正に動物を飼う責任を、再認識してもらうことにも繋
げています。
また、多頭飼育の事例には、あまりにも増えてしまった動物を飼いきれなくなり、動物
を手放さざるを得ない飼い主もおり、その動物の収容が課題となっています。
そこで、現在、動物愛護センターの敷地内に、犬や猫を緊急的に収容し、譲渡につなげ
ていくための新たな施設の建設を進めており、今年度中に使用を開始できる見込みです。
このような取組を通じて、今後も関係機関との連携体制のもと、多頭飼育対策をしっか
りと行っていくことにより、ペットのいのちも輝く神奈川の実現を目指してまいります。
私からの答弁は以上です。
桝 質問
多頭飼育対策についてであります。
犬や猫を緊急的に収容する新たな施設の建設を進めているというお話ではありますけれ
ども、私も先日伺いましたから、現状で100頭近くの犬や猫がいるという現状があり、なか
なか飼育管理に力が全部行き渡っているのかという部分を、意見交換もさせていただきま
したが、なかなか大変だという話もありましたので、やはりそういった部分で言えば、動
物愛護センターにおける収容動物の飼育管理に関する体制をどのように整えていくのかと
いうところについて、健康医療局長の見解を伺います。
健康医療局長 答弁
健康医療局関係の再質問にお答えします。
動物愛護センターにおける収容動物の飼育管理に関する体制について、お訊ねがござい
ました。
「命あるもの」である動物の飼育管理については、頭数の増減にかかわらず、適切に行
うことが重要であると考えています。
収容動物が増加した場合を含め、業務量に応じて必要な人員体制を整えてまいります。
私からの答弁は以上です。
【要望】
続いて多頭飼育対策についてであります。
この多頭飼育対策ですが、私も何度か取り上げさせていただいておりますが、本当に多
くのボランティア団体の皆様に御協力をいただいております。
先ほど、緊急的な施設を建てる中で、そして適切な人員の配置をしていくというお話が
ありましたけれども、本当にこれからどういった多頭飼育が発見されるかというのは予想
もつかない現状もあります。
今これから、例えば、現状今100頭近くいる中で、また100頭見つかってしまった、すぐ
に受け入れられるか、というとなかなか人員的にも設備的にも難しい部分があるのではな
いかと思いますので、いつでも受けられるようにしろという話ではありませんが、そうい
ったことも含めて御検討いただきたいと思います。