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6月24日一般質問「慢性腎臓病(CKD)対策について」

6月24日令和6年第2回定例会での田村 ゆうすけ県議による一般質問を掲載させていただきます。

以下が内容です。

田村 ゆうすけ議員 質問:

慢性腎臓病は、糖尿病や高血圧などの生活習慣病の悪化により発症し、重症化すると腎不全に至るなど、生活に深刻な影響を与える疾患で、その対策は、県民の健康と命に係わる重要な課題である。

県の計画の中では、具体的な数値目標として、「糖尿病の重症化により慢性腎臓病が悪化し、新たに人工透析が必要となる患者数」について、人口10万人あたり、令和3年度の9.6人から、令和11年度には8.1人に減らすという目標を掲げており、まずはこの実現に向けて着実に取り組んでほしい。

また、慢性腎臓病は、糖尿病以外にも、高血圧など、重症化を引き起こす様々な要因があることから、そうしたことも広く周知するなど、幅広い観点から取組を進めていく必要がある。

そこで、慢性腎臓病対策を効果的に進めるため、今後どのように取り組んでいくのか、見解を伺う

知事 答弁:

県ではこれまで、慢性腎臓病の大きな原因となる糖尿病対策として、平成29年度に県医師会と連携して「かながわ糖尿病未病改善プログラム」を作成し、市町村の特定健診等のデータを活用して早期の受診につなげる取組を行ってきました。

その結果、本県で糖尿病により新たに人工透析が必要となった患者は大きく減少し、人口10万人あたりでは全国3位、人口300万人以上の都道府県では、最も少ない人数となりました。

また、令和4年度からは「神奈川県慢性腎臓病診療連携構築協議会」において、医療関係者や市町村、保険者に参加いただき、かかりつけ医と専門医の連携などについて検討を進めています。

この中で、今年1月に、地域のかかりつけ医が、速やかに専門医に相談や紹介ができるよう、県ホームページに「腎臓専門医リスト」を掲載したところです。

一方、本県では急速な高齢化により、慢性腎臓病の患者はますます増えると見込まれていることから、早期発見・受診に向けて、さらなる対策が必要です。

そこで県では、糖尿病未病改善プログラムに加えて、新たに慢性腎臓病と関係が深い高血圧の方にも早い段階から医療機関の受診を呼びかけるモデルを、関係者と連携して検討していきます。

また、この疾患は初期の自覚症状がほとんどないことから、まずは健康診断を定期的に受けることが重要ですので、こうしたことをX(旧Twitter)などのSNSも活用し、リスクの高い中高年層を中心に広く呼びかけてまいります。

田村 ゆうすけ議員 再質問:

腎臓の専門医からは、「腎臓、心臓、代謝、これらはお互いに血管・血液という媒体によって結びついている」という意見も聞いている。

そこで、今後は、慢性腎臓病対策について、ぜひとも、高血圧、高脂血症、糖尿病対策、透析導入予防など、様々な対策と関連させて対応していく必要があると考えるが、見解を伺う。

知事答弁:

腎臓、心臓、代謝の3つの領域の疾患は、相互に影響しあうことがわかってきていますので、県医師会などの医療関係団体とも連携し、他の疾患との関連づけを含めて、慢性腎臓病対策を総合的に検討していきたいと考えています。

要望:

国は、平成30年7月の腎疾患対策検討会報告書において「令和10年までに、年間新規透析導入患者数を35,000人以下に減少させる」という目標を掲げている。

一方で、昨年10月に報告された検討会の中間報告書によると、慢性腎臓病の認知度の低さや、医療関係間の連携不足等が課題として挙げられた。

こうした課題を解決するためにも、県として腎症重症化予防の取組みを着実に進めていくよう要望する。