11月29日令和5年第3回定例会での河本文雄県議による代表質問を掲載させていただきます。
以下が内容です。
1 県政課題に対する知事の基本姿勢について
(1) 新たな総合計画の素案について
河本文雄議員 質問:
第2回定例会の代表質問で、「新たな総合計画は、2040年を展望し基本構想を見直すとともに、令和6年度からの4年間を計画期間とする新たな実施計画の策定を進める」との答弁があった。
そして、神奈川の将来像として、「誰もが安心してくらせる やさしい神奈川」「誰もが自らの力を発揮して活躍できる神奈川」「変化に対応し 持続的に発展する神奈川」の3つが、9月に「骨子」の中で示された。
基本構想を含めた見直しは12年振りであり、議決対象でもある。
県議会としても議論を重ね、より良い総合計画にしていかなければならない。より良い未来を創っていくという思いを、総合計画の中で発信していく必要がある。
そこで、新たな総合計画の素案について、どのような考え方でとりまとめるのか、見解を伺う。
知事 答弁:
河本議員の御質問に順次お答えしてまいります。県政課題に対する知事の基本姿勢について何点かお尋ねがありました。まず、新たな総合計画の素案についてです。
2012年に策定した現在の基本構想では、いのち輝くマグネット神奈川の実現を基本理念に掲げてきました。県民のいのちが輝き、神奈川が人々を引きつける魅力にあふれることをめざすこの基本理念は、策定から12年が経った今でも、引き続き、県民の皆様への重要なメッセージであると考えています。そのため、目標年次の2040年に向けて、基本理念は継承し、新たな総合計画の名称を新かながわグランドデザインとしたいと考えています。そして、新興感染症などの不確実性、少子高齢化、人口減少、デジタル化の加速といった、社会環境の変化を踏まえ、3つの神奈川の将来像を描いてまいります。
その上で、実施計画では、神奈川の将来像の実現に向け、めざすべき4年後の姿として、県民目線のデジタル行政でやさしい社会の実現を掲げます。人口減少社会が本格化し、財源や人材が限られていく中においても、進歩の著しいデジタルの力を様々な県政課題の解決に積極的に活用することで、県民目線に立った質の高い県民サービスを提供していきます
また、計画を着実に推進するためには、引き続き、政策をマネジメントするためのPDCAサイクルが重要ですが、新興感染症や国際情勢など、社会の不確実性が高まっていることから、計画期間中に不測の事態が発生することにも予め備えておく必要があります。近年、ビジネスの分野では、迅速な意思決定の手法として、Observe(オブザーブ)観察、Orient(オリエント)状況判断、Decide(ディサイド)意思決定、Act(アクト)行動、この頭文字を示すOODAループ(ウーダループ)が注目されていますが、この手法は、臨機応変な対応が求められる非常時に大変有効です。そこで、コロナ禍のような不測の事態が生じた場合には、このOODAループ(ウーダループ)の考え方により、その時々の状況に応じた政策評価や柔軟な政策展開を図ることを予め計画の中に位置付けます。
この度、計画の素案をお示ししますが、今後も県議会の皆様と議論を重ねるとともに、県民の皆様との対話を重ね、新たな総合計画をしっかりと練り上げてまいります。
河本文雄議員 再質問:
基本構想に掲げる3つの神奈川の将来像の実現に向けて、新たな総合計画では、どのように取り組んでいくのか、見解を伺います。
知事 答弁:
新たな実施計画では、3つの神奈川の将来像の実現に向けて、進歩の著しいデジタルの力を積極的に活用してまいります。例えば、一つ目の将来像、誰もが安心してくらせるやさしい神奈川の実現に向けては、子育てパーソナルサポートにより、子育て支援情報を必要とする方に必要なタイミングにプッシュ型でお届けするなど、県民の皆様の不安の解消に取り組んでいきます。
次に、二つ目の将来像、誰もが自らの力を発揮して活躍できる神奈川、この実現に向けては、ひきこもりや不登校などの当事者の方々が安心して参加できる環境として、メタバース内に交流の場を設置するなど、誰もが自分らしく活躍できる環境を作っていきます。
さらに、三つ目の将来像、変化に対応し、持続的に発展する神奈川の実現に向けては、デジタル技術が多く使われるロボット産業の成長促進に取り組むなど、県内経済の持続的な発展に向けて取り組んでいきます。
このように、デジタルの力も積極的に活用しながら、3つの将来像の実現をめざしてまいります。
【要望】
今定例会では、素案が全常任委員会に報告されると承知しています。我が会派としても、各常任委員会において、更に議論を深めていきたいと思います。