9月25日令和5年第3回定例会での山本哲県議による一般質問を掲載させていただきます。
以下が内容です。
山本哲議員 質問:
阪神・淡路大震災、東日本大震災、熊本地震など、過去の大きな災害を振り返ると、災害時のトイレ対策が、繰り返し問題になっている。停電や断水、排水管・下水管の損傷や下水処理施設の停止などにより、大規模災害発生時に、水洗トイレが使えなくなると、汚物が溢れて悪臭が発生するなど、環境面や衛生面の問題が発生する。
また、そのような状況を目の当たりにし、トイレの使用を控えようと、被災者が食事や水分の摂取を控えることによって、被災者に栄養状態の悪化や、脱水症状、エコノミークラス症候群などの、健康被害が引き起こされる恐れがあり、最悪、震災関連死につながることも考えられる。
そこで、本県でもいつ起きてもおかしくない災害への備えとして、トイレの確保対策を進める必要があると考えるが、どのように取り組むのか、見解を伺う。
黒岩知事 答弁:
次に、災害時のトイレの確保対策についてお尋ねがありました。
災害時、上下水道の断絶や停電により、水洗トイレが使えなくなる状況の中で、トイレを確保することは、被災者の健康やいのちに直結する重要な課題です。
県では、災害時のトイレプロジェクトを推進しています。その一環で、本年度、家庭での携帯トイレの備蓄を、市町村地域防災力強化事業費補助金の対象に加えました。
加えて、今後、啓発動画を作成し、トイレを我慢することによる健康への影響など、災害時におけるトイレの確保の重要性や、携帯トイレの使用方法、身の回りの物で代用する方法などを広く周知し、家庭における取組を促進したいと考えています。
また、今年度、在宅避難者の生活支援を行う市町村を支援するため、県の携帯トイレの備蓄の強化に取り組んでいます。
さらに、県は、避難所マニュアル策定指針を修正し、トイレの確保に関して、女性や子ども、障がい者など、要配慮者の目線からの留意事項など、きめ細かな対応策を追記し、市町村による取組を支援しています。
こうした取組のほか、万一、県内で災害用のトイレが不足する事態に備え、広域的に調達できる体制を整備することも重要です。
県は、全国知事会などを通じた応援体制を確保するほか、「災害救助にかかる連絡会議」などを通じて、物資の供給や輸送、保管などを担う事業者と、平時から、顔の見える関係づくりを進めています。
また、災害時に、全国からの救援物資を円滑に受け入れられるよう、物資の輸送や、集配を行う物資拠点の運営訓練も充実させています。
県としては、こうした取組を通じて、災害時のトイレの確保対策の強化を図り、いつ起きるかわからない災害に備えてまいります。
私からの答弁は以上です。
(要望)
次に、「災害時のトイレの確保対策について」です。
自宅で生活が送れないような災害に被災した場合に、避難所への避難のほか、現在では、少しでも良い生活環境の中で避難生活を送れるよう、災害時の避難先は、親戚や知人の家、車中泊、テント泊、など、避難所以外にも広がっています。そして今では、トレーラーハウスの設置やキャンピングカーの活用なども注目されています。
それぞれ状況は異なりますが、災害が起こればトイレも被災します。トイレが使えなくなると、避難者の健康面や生活環境の衛生面に深刻な問題が発生することは共通しています。
このように被災時の様々な場面におけるトイレ問題の解決策として、携帯トイレや簡易トイレの備蓄のほかにも、マンホールトイレや仮設トイレ、車載トイレやトイレトレーラーなど、一定の設備を有する様々な災害トイレの活用も効果的だと考えます。
一刻を争う災害時に、こうした多種多様なトイレを、設置場所等に応じた活用を進めていくことも必要と考えます。
市町村を支援、連携をしながら、災害時の安心の出来るトイレ環境に向けた、災害トイレの確保に努めていただくよう要望いたします。