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9月22日一般質問「『生きづらさ』『くらしにくさ』への支援について」

9月22日令和5年第3回定例会での市川和広県議による一般質問を掲載させていただきます。

以下が内容です。

 

市川和広議員 質問:

単身世帯の増加や働き方の変化などで、家族や職場内の支えあいや、人と人とのつながりが弱くなり、困難に直面している方々の負担や不安が増加していることや、ネット社会の進展による過剰な情報の流入によって、価値観が多様化し、これまでの価値観が揺らぎ、将来への希望や自信を失うことなどにより、「生きづらさ」「くらしにくさ」を感じる人が増えていると思う。

コロナ禍では、家計が急変した世帯に対して、給付金や貸付金など様々な支援が行われ、成果を上げたと認識しているが、これからは、経済的事情に関わらず、こうした「生きづらさ」「くらしにくさ」を感じている方々に対して、丁寧な支援が必要ではないか。

そこで、社会環境の変化が加速する中、深刻な「生きづらさ」「くらしにくさ」を感じている県民の方々に対して、県は、どのような支援に取り組んでいくのか、見解を伺う。

 

黒岩知事 答弁:

次に、生きづらさ、くらしにくさへの支援についてお尋ねがありました。

コロナ禍に加え、高齢化の進展や単身世帯の増加など社会環境が変化する中で、生きづらさや、くらしにくさに悩んでいる方々に対する支援は大変重要です。

県では、私をトップに、すべての部局が参加する、生活困窮者対策推進本部を、令和3年11月に設置し、全庁横断的な取組を行ってきました。

本部の取組として、生活相談記録のデータ分析などを行う中で、様々な支援制度の情報が生きづらさやくらしにくさを抱える方に届きにくく、相談窓口や支援につながりにくいということが、浮き彫りになってきました。

また、当事者や支援団体へのヒアリングにおいて、不安や悩みを抱えていても、声をあげない、声をあげられない方がいるという切実な実情を伺いました。

そこで県では、こうした生きづらさ、くらしにくさに悩む方々に対する重点的な支援に取り組みます。

具体的には、ひきこもりやこころの健康などについて、LINEなどのSNSや電話により、いつでも安心して相談できる窓口の充実と、その普及・定着を進めていきます。

また、人とのつながりが苦手な方がメタバースを活用し、インターネット上で気軽に人と交流することができる居場所づくりや、同じ悩みを抱える方々が直接、交流や息抜きができる居場所の充実に取り組んでいきます。

さらに、支援制度を知ってもらうための出前講座を、県内各地の高校や大学、地域の公共施設などに出向いて実施します。

こうした取組に加え、NPOや事業所などと連携し、行政だけでは行き届かない、家庭や地域における声かけや見守りなどのサポート活動を充実させます。

県は、生きづらさ、くらしにくさを感じている方々の気持ちに寄り添った支援を行い、誰もがその人らしく暮らすことのできる地域共生社会の実現を目指してまいります。

 

市川議員 再質問:

答弁によると、生活相談記録のデータ分析を行ったとのことですが、具体的にはどのようなことがわかったのかお聞かせください。

 

黒岩知事 再質問答弁:

生活困窮者対策推進本部では、自立相談支援機関の相談記録約3,000件を分析しました。

その結果、単身世帯は他者とのつながりが希薄であったり、女性の相談は、男性に比べ、家計だけではなく、子育て、介護、健康など多岐に及ぶことがわかりました。

また、こうした方々に、それぞれの課題に応じた適切な支援情報が十分に届いていないということもわかりましたので、今後県としましては、適切な窓口につなぐための取組をより一層進めてまいります。

 

(要望)

私は、質問の中でも申し上げましたが、社会環境の変化、あるいは価値観の多様化なのでしょうか。この1年、漠然と現状や将来への不安を感じている人が多くなった気がしています。今までも、神奈川県や市町村は相談に来るのを待つだけではなく、一人ひとりの実情に応じた支援の情報をしっかりと届け、そして、積極的に声をかけて困り事を引き出していくアプローチが重要であるということを指摘してまいりました。

様々な自治体の「生きづらさを感じているか」といったアンケート結果などを見ると、「生きづらさを感じる」と回答している方は少なくありません。

県が把握している具体的な内容は理解をしましたが、様々な取組を行うにはそれに基づくデータが必要です。人の心の中を知ることは大変難しいと思いますが、県民の生きづらさ、くらしにくさを把握する作業の精度を高め、今年2月に開設した生活困りごとサポートサイト「さぽなびかながわ」などのさらなる充実も含め、丁寧な支援を要望いたします。