9月12日令和6年第3回定例会での原 聡祐県議による代表質問を掲載させていただきます。
以下が内容です。
原 聡祐議員 質問:
利用者の中には、入所生活の中で機能低下が進み、重大な健康リスクにもつながりかねないといった報告も受けており、知事の言う「根本的な改革」は、始まったばかりではないかと考える。
県立中井やまゆり園は、令和8年度から新たに設立予定の地方独立行政法人による運営に移行することを目指しているが、運営形態を変えれば、こうした問題の根本的な改革が進むという認識では甘いのではないかと考える。
独立行政法人設立までのプロセスの中で、改めるべき所は改め、真の当事者目線の障害福祉の実現を託すにふさわしい新法人になってほしいと考える。
そこで、今後、設立予定の地方独立行政法人については、どのようなビジョンをもって設立に向けて取り組み、当事者目線の障害福祉の実現を行っていくのか、見解を伺う。
知事 答弁:
現在、県は、中井やまゆり園において「当事者目線の支援アクションプラン」の実践を進めるとともに、県の目指す「当事者目線の障害福祉」の実現に向け、新たな地方独立行政法人の設立準備を進めています。
中井やまゆり園では、かつて強い行動障害を理由に、長時間、居室に閉じ込められていた利用者が、活動機会を得る中で、例えば、地域での清掃活動に参加し、笑顔が増えるなど、一人ひとりの可能性が広がり始めています。
しかし、支援改善アドバイザーからは、長期に渡る入所施設での支援の中で、40代、50代の若さにもかかわらず、歩行機能が低下し歩けなくなる方や、低栄養が懸念される方、白内障で失明のリスクが高い方が多くなるなど、いのちに関わる深刻な問題があると厳しい指摘を受けました。
このように、いのちを守る体制が十分でないということは、中井やまゆり園だけに留まらず、知的障害者の施設全体の問題とも考えられ、当事者目線の障害福祉を推進する上で、重大な課題に直面しているとの強い危機感を抱いています。
そこで、利用者の健康リスクに対し、いのちを守る体制づくりを早急に行い、利用者一人ひとりの状態を把握し、改善に向け直ちに対応していくとともに、県としてこの問題の原因を検証し、根本的な解決を図ります。
また、障害者が地域で暮らしていく上でも、同様の健康リスクが考えられるため、新たな地方独立行政法人は、こうした福祉に関する諸課題の解決にも広く貢献することをビジョンとして掲げ、法人の設立準備を進めてまいります。