9月25日令和6年第3回定例会での小林 武史県議による一般質問を掲載させていただきます。
以下が内容です。
小林 武史議員 質問:
GCC(湾岸協力会議)諸国は原油や天然ガスなど天然資源の産出国として極めて豊かであり、富裕層比率が高く、海外旅行需要が増加していることから、今後、中東地域の富裕層の誘致について、検討する価値があるのではないかと考える。
一方、中東地域にはイスラム教徒が大半を占める国が多いことに加え、米国や欧州諸国で成功した人たちも多く、人の往来は活発である。中東は多様な文化、宗教などが交錯する地域であり、観光客を受け入れる側は、そうした背景や文化的な違いなどを理解するとともに、例えば、イスラム教に基づく食事や礼拝などの生活習慣についての配慮や対応が必要である。
そこで、中東地域からの富裕層の誘致について、どのように取り組んでいくのか、見解を伺う。
知事 答弁:これまで県では、中東地域等からのムスリム観光客が安心して滞在できるよう、事業者向けセミナーの実施等により、受入環境を整えてきました。
また、海外の富裕層の誘致については、主に欧米や中国をターゲットとしたプロモーションを行ってきています。
一方、富裕層を更に呼び込むためには、中東地域等、これまでとは異なる地域をターゲットとしたプロモーションが必要となります。
さらに、こうした新たな地域でのPRの展開にあたっては、宗教や食の慣習等、その特性を考慮した受入環境の整備も重要です。
そこで、今後、更なるムスリム観光客の受け入れに向けて、観光事業者を対象に、食事や礼拝等への配慮を行う「ムスリムフレンドリー」の考え方や、その他の留意点に関する啓発を行っていきます。
また、観光情報ウェブサイトでの、ムスリムに配慮したレストランのほか、礼拝室などの情報発信についても充実させます。
さらに、有識者との意見交換等を通じて、中東地域の旅行動向やニーズを把握し、新たな富裕層の旅行市場としての効果的な開拓手法について、研究していきます。
こうしたことにより、中東地域をはじめとした新たなインバウンド需要も獲得していきながら、更なる地域経済の活性化につなげてまいります。
要望:
中東地域における富裕層比率は、世界でも上位に位置し、海外への旅行需要も非常に高い有望な市場であると考えています。また、世界全体としても、イスラム教徒の人口は成長を続けており、今後、対イスラム教徒市場の規模拡大は確実な情勢です。
国は2020年度から中東地域を訪日プロモーションの重点市場の一つとして位置づけ、具体的な取組を開始しており、これまで全くの手つかずであった、中東地域に数多く存在する富裕層市場の新規開拓を進めています。
県としても、中東地域からの富裕層の誘致について、旅行ニーズや市場動向等から研究するとともに、文化や習慣を尊重した受入環境の整備に取り組んでいただくよう要望します。