2月27日令和6年第1回定例会での渡辺 紀之県議による一般質問を掲載させていただきます。
以下が内容です。
渡辺 紀之議員 質問:
本県の林道から近い人工林は高林齢化しており、脱炭素社会の実現や花粉発生源対策にも貢献できるよう、「伐採」、「利用」、「植栽」、「育林」といった、森林の若返り、資源循環に取り組んでいく必要があると考える。
そのためには、木材資源を今後循環できるよう、大元となる林道から近い人工林の整備に一層取り組んでいくことが重要である。
そこで、水源地域における林道から近い人工林の整備について、施策大綱期間終了までの残り3年間、県としてどのように取り組んでいこうと考えているのか、見解を伺う。
環境農政局長 答弁:
県では、水源地域の荒廃した森林を保全・再生するため、平成19年度からこれまで16年にわたり、間伐や土壌保全対策などの森林整備に取り組んできました。
その結果、人工林全体の約8割で手入れがされた状態となり、森林の公益的機能の向上が図られるようになりました。
一方、平成24年度には、林道から近い人工林整備を促進させるため、森林組合による森林整備や間伐材搬出などの取組を支援する「長期施業受委託制度」を導入し、公益的機能の向上と木材の有効活用につなげてきました。
また、令和2年度から、長期施業受委託の事業主体に一定の意欲と能力を有する林業会社も加え、取組を強化してきた結果、木材生産量は施策開始前の平成18年度と比べ、約3倍の年間3万立方メートルになるなど成果が出ています。
そうした中、水源地域における林道から近い人工林の中には、所有者の意向確認が終わっていないことなどから、整備の進んでいない森林も残されています。
県としては、大綱期間終了までの3年間で、こうした森林についても、所有者の同意を得て引き続き森林整備を着実に推進し、公益的機能の高い森林づくりに取り組むとともに、木材の有効活用を促進させてまいります。
渡辺 紀之議員 再質問:
水源地域における林道から近い人工林の整備について伺います。
私としましては、今、色々と森林整備がいくらか進んでいるのは見えるわけですけれども、この大山地区や子易地区を含めてですけれども、まだまだ森林整備が必要なところ、もしくは整っていないところがあるように私は感じておりまして、答弁の中でも、大綱期間終了までの3年間、林道から近い人工林について、引き続き森林整備を着実に推進していくという力強い御答弁もあったわけですけれども、その辺り、伊勢原を中心とした地域の森林において、長期施業受委託の取組みをどのように進めていくのか、もう少し詳しく見解を伺いたいと思います。
環境農政局長 答弁:
伊勢原地域における長期施業受委託の取組については、来年度、日向地区で新たに2箇所の水源林の確保が予定されていることから、令和6年度当初予算案に必要な額を計上するなど、森林整備への支援を着実に進めていきたいと考えています。
要望:
水源地域の関係ですけれども、今、色々と大変なのは承知いたしましたが、県民にとってかけがえのない神奈川の水源環境を将来にわたって良好な状態を維持していくことは大変重要なことだと思います。私の地元の伊勢原は飲料水に使われていないのですけれども、大山を水源とする清らかな水系と里地里山の自然環境に恵まれておりますので、こうした特徴は県西部の箱根山地も同様だと思いますが、是非このような森林の自然環境や水環境をしっかりと保全し、再生していくことが重要な課題だろうと思っておりまして、大綱期間終了まで、是非、それを守っていただくための森林所有者だとか、林業事業者また市町村と連携を取っていただいて、今後、次のステップの財源の在り方を含めてしっかりと検討を進めていただければと思っております。 |