9月22日令和5年第3回定例会での大村悠県議による一般質問を掲載させていただきます。
以下が内容です。
大村悠議員 質問:
秋の行楽シーズンを迎えるにあたり、例えば、県内の紅葉スポットを単独でPRするのではなく、紅葉スポットとその周辺の立ち寄り先も合わせてPRするなどして周遊を促進することで、観光客の分散化を図りながら、観光消費額を高めていく取組を進めることができると考える。
そのために、昨年度実施した鎌倉時代の「ゆかりの地」を巡るデジタルラリー取組の効果検証を踏まえながら、周遊を促進するための、効果的なプロモーションを考えることは重要である。
そこで、デジタルラリーのような周遊性を取り入れた、昨年度のプロモーションについて、どのように評価しているのか。また、その評価を踏まえ、今後、周遊観光の促進にどのように取り組んでいくのか、見解を伺う。
黒岩知事 答弁:
大村議員の御質問にお答えします。
本県の観光振興施策についてお尋ねがありました。
周遊観光を促進する取組についてです。
まず、周遊性を取り入れた昨年度のプロモーションの評価についてです。
昨年度、県では、大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の放送に合わせ、県内の「ゆかりの地」や周辺の観光スポットを巡るデジタルラリー等を実施しました。
デジタルラリーのデータを分析したところ、4,500人を超える参加があり、134か所の「ゆかりの地」を、延べ42,000回以上訪れていただいたことが分かりました。
また、全ての「ゆかりの地」に、それぞれ100人以上が訪れており、アンケートでは「スタンプ集めが楽しい」との声が多数ありました。
こうしたことから、昨年度の「歴史」を切り口とした「デジタルラリー」は、スタンプ収集を目的とした集客や、それまであまり知られていなかったスポットへの来訪につながるなど、周遊観光の促進に一定の効果があったものと評価しています。
次に、今後の周遊観光を促す取組についてです。
周遊観光を促進するためには、魅力的なテーマを設定し、関連する観光コンテンツをストーリーでつないで、発信することが重要です。
今年は、「東海道川崎宿起立400年」という節目の年であり、また、東海道の整備を命じた徳川家康を主人公とする大河ドラマ「どうする家康」が放送されており、「東海道」に注目が集まっています。
そこで、こうした機会を捉え、「東海道」をテーマに、県内の9つの宿場をはじめとした地域と連携し、「ゆかりの地」や周辺の観光スポットを巡る「デジタルラリー」を実施します。
県は、今後も、地域と連携し、地元の盛り上がりを後押ししながら、周遊観光を促す取組を行うことで、地域経済の活性化につなげてまいります。
私からの答弁は以上です。
大村議員 再質問:
今年度、東海道をテーマとした取組を新たに実施するとのことだが、一過性のものとせず、継続して東海道を楽しめるようにできないか。
黒岩知事 再質問答弁:
東海道を切り口としたデジタルラリーは、今年度における実施期間を定めた取組となりますが、昨年度の「鎌倉殿」の「ゆかりの地」と同様、事業終了後も、東海道を紹介するマップを県の観光ウェブサイト上に掲載するなど、各宿場の魅力を含めた情報を発信していきます。
こうした取組により、来年度以降も、引き続き、これまでのプロモーションのコンテンツを活用し、県内周遊の促進につなげてまいります。
(要望)
継続して楽しめるように取組を進めていく、そういった答弁をいただいたが、こういった取組についても、先ほども申し上げたように、観光に対する施策については、しっかりと、都度、効果検証をして、次の政策につなげていただくことを要望する。
観光の広域連携や周遊観光については、これまでも県として取り組んできたことは承知しているが、その施策を成果につなげる、また効果検証をすることは大変難しいということは理解している。その中で今回、鎌倉殿の13人を契機に、デジタルラリーの取組で、周遊して観光するきっかけとなり、地域間を超えて共通のコンテンツを確立することの重要性を再認識した。今回、東海道のゆかりの地ということで今後の取組について答弁頂いたが、こういった周遊、地域間の連携の流れを止めることなく、県内全体の周遊と、各地での消費喚起につながるコンテンツ作りを今後も期待する。
観光の取組については、地域によって目的や課題は様々である。鎌倉などではオーバーツーリズムが課題になっているが、県内では、もっと多くの観光客に来てもらいたい、そういった地域もあるし、金沢区では、八景島シーパラダイスやベイサイドマリーナなどを中心に多くの方々が来ているが、屋内での消費額がなかなか高まらないという課題も抱えている。周遊観光を進めていくためには、地域間連携、そして行政間連携は欠かせないと考えているが、地域ごとで目的や課題が異なれば、連携することも容易ではないことから、県としては広域的な立場で、調整役になるなど、地域間連携や周遊観光に取り組むことを要望する。