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9月22日一般質問「融資の返済が困難な中小企業への支援について」

9月22日令和5年第3回定例会において一般質問を行いました。

以下が内容です。

 

細谷政幸議員 質問:

新型コロナウイルス感染症の拡大により、深刻なダメージを受けた多くの中小企業の資金繰り支援のための、実質無利子・無担保のいわゆる「ゼロゼロ融資」の無利子期間が順次終了し、返済の負担が増加するとともに、長期化する物価高騰により、中小企業の取り巻く環境は厳しさを増している。

融資の返済が困難となる前に、収益力の改善や事業再生に向けた支援を行う必要があるのではないか。

さらに、実際に融資の返済に支障をきたしている中小企業が手遅れになる前に、金融機関等と連携し、経営状況等を把握しフォローを行い、事業再生を達成することが困難な中小企業に対しては、再チャレンジに対する支援なども必要ではないか。

そこで、融資の返済に支障をきたしている県内中小企業を、どのように支援していこうと考えているのか、見解を伺う。

 

産業労働局長 答弁:

産業労働局関係の御質問にお答えします。

融資の返済が困難な中小企業への支援についてお尋ねがありました。

本県制度融資分において実行されたゼロゼロ融資のうち、令和5年8月末時点で約95%が正常返済中ですが、代位弁済の件数は徐々に増えてきており、今後さらに増加する可能性もあります。

そこで県では、返済額軽減のための借換えが可能な「伴走支援型特別融資」や、付加価値を高め収益力改善につながる「ビジネスモデル転換事業費補助」などの支援に取り組んでいます。

一方で、既に返済に支障を来している事業者に対しては、より踏み込んだ支援が必要であり、公益財団法人神奈川産業振興センターに設置されている「中小企業活性化協議会」が、金融機関、信用保証協会等と連携して、主に「事業再生」と「再チャレンジ」の2つの支援策を実施しています。

まず、事業再生支援ですが、協議会が企業に専門家を派遣し、再生に向けた計画を策定するとともに、借入先の金融機関に対し、返済猶予などの借入条件の緩和を働きかけ、企業の事業再生を支援します。

また、県としても、こうした協議会の取組と連携し、計画を策定した事業者が、事業再生中でも低利で借り入れることのできる「事業再生サポート融資」により、円滑な資金調達を支援しています。

次に、再チャレンジ支援ですが、相談を受けた時点で、再生が困難な事業者に対しては、協議会が、金融機関による債権放棄や円滑な保証債務の整理に向けた調整を行い、経営者の再チャレンジを後押しします。

このように、融資の返済が困難な中小企業に対する支援を含め、事業者の様々な経営状況に対応した最適な支援に、県と関係機関が一体となって、しっかりと取り組んでまいります。

答弁は以上です。

 

(要望)

次に、融資の返済が困難となっている中小企業支援でありますが、中小企業活性化協議会が、県や金融機関だけでなく、信用保証協会や支援機関と連携して支援しているとの答弁でありましたが、そういった様々な関係機関が密に連携して対応に当たることこそ、最も重要であると考えます。

企業が、融資の返済に当たって、どのような事情で困っているか、実際に経営状況がどれくらい厳しい状況となっているかは千差万別であります。今後、物価高騰の長期化等により、融資の返済に不安を抱える中小企業が増えてしまうことが懸念されるため、それぞれの企業の実情に応じた適切なサポートをいち早く行えるよう、引き続き関係機関がしっかりと連携し、事業者に寄り添った支援をしていただきますよう要望いたします。