9月22日令和5年第3回定例会において一般質問を行いました。
以下が内容です。
細谷政幸議員 質問:
県政の諸課題に対応するため、財源確保は非常に重要であります。
とりわけ、一般会計歳入の約6割を占める県税収入の確保は大きな課題であると 認識しています。
納税者の方それぞれに様々な事情はあると思いますが、納税は国民の義務であるにもかかわらず、一定の滞納が存在していることも事実であります。
滞納を放置することは、税負担の公平の観点からも問題であり、いかに収入未済額を減らしていくかが重要であると考えます。
県税の滞納は、大きく分けて、市町村が徴収を行う個人県民税と、それ以外の県が直接徴収を行う、個人や法人の事業税、自動車税などの県税に大別できます。
県が直接徴収を行う県税の滞納額は、コロナ禍の影響があったと思われる令和2年度を除けば、ここ数年は、50億円程度で推移しており、ピークであった平成12年度の167億円と比べて大きく減少していることは承知しており、関係各位の地道な努力があったものと、評価しております。
しかしながら、未だ約50億という多額の収入未済が存在していることも事実であります。
先日、来年の予算編成に向け、現時点で約300億円の財源不足が見込まれるとの見通しが明らかになり、更なる削減に努めなければなりません。
また、そのための徴収対策を進めるに当たり、業務の中核を担ってきたベテラン職員が退職し、若手職員が増えたことから、実務を担う職員の育成も重要な課題と感じています。
そこで、総務局長に伺います。
県税の収入未済について、徴収対策の現状をどのように認識しているのか、また、それを踏まえて、どのような体制を確保していくのか、見解を伺います。
総務局長 答弁:
総務局関係の御質問にお答えします。
県税の徴収対策についてお尋ねがありました。
まず、徴収対策の現状についてです。
県税収入未済額の削減は、財政運営や税負担の公平性の観点から、大変重要な課題であり、税務職員が一丸となって徴収対策に取り組んでいます。
具体的には、自動車税種別割や個人事業税については、例年、滞納となる件数が特に多いため、早期に滞納整理に着手するとともに、在宅の可能性が高い夜間を含めて催告を行うなど、実効性のある取組を行っています。
その上で、支払能力がありながら滞納している場合には、預貯金や不動産、自動車等の財産を差し押さえるなどの措置も講じ、税収の確保に努めています。
このような地道な取組とともに、コンビニでの収納など、納付手段の拡大を行ったことにより、令和4年度の県税収入未済額は、市町村が徴収している個人県民税を除いた金額で52億円と、ピーク時の167億円から115億円もの大幅削減を達成しました。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響などにより、納付が困難な事情のある場合には、納税緩和措置を適用するなど、納税者に寄り添った対応も行っています。
次に、徴収対策のための体制確保についてです。
徴収対策を進めるためには、幅広い法律の知識や臨機応変な折衝能力など、高い専門性が求められますが、近年は経験豊富なベテラン職員が減少しているため、人材の育成が急務となっています。
県では、この課題に対応するため、実際の業務を通じて、ベテランから若手にノウハウを継承させているほか、初任者向け勉強会や、困難事案を共有する研修会を実施し、人材育成を進めています。
今後とも、地道で着実な徴収対策を実施するとともに、適切な人材育成による、体制の確保に努めてまいります。
私からの答弁は以上です。
(要望)
県税の徴収対策について、収入未済額がピーク時から大きく削減されたことは、税務当局の様々な努力が背景にあることは理解をいたしました。
一方で、新型コロナウイルス感染症の影響や、最近の急激な物価高騰などにより、苦しんでおられる事業者や県民の方も多いものと思います。
そのような納税者の方には、適切に、徴収の猶予の措置を適用するなど、丁寧な対応を行ってもらいたいと思います。
県には、収入未済額の圧縮と、県民に寄り添った納税者対応という相反する課題について、ぜひ、バランスの取れた取組を行うことを要望いたします。