9月22日令和5年第3回定例会において一般質問を行いました。
以下が内容です。
細谷政幸議員 質問:
空家法の一部を改正する法律が、令和5年6月に公布されたが、これは、空き家所有者に対し、国や自治体の施策に協力する努力義務を新たに課すなど、責務を強化する一方で、空き家の活用拡大についても配慮されたものであり、今後、空き家の利活用を進めたい所有者や自治体などにとって大きな後押しになるのではないかと期待している。
県は、空き家対策に取り組む市町村を支援していく立場ではあるが、この法改正をうけて、空き家の利活用を進めていく必要があるのではないかと考える。
そこで、令和5年6月に公布された空家法の改正を受け、今後空き家の利活用に関して、どのように市町村の支援を行っていくのか、見解を伺う。
黒岩知事 答弁:
細谷議員の御質問にお答えします。地域活性化に資する取組について、お尋ねがありました。空き家の利活用についてです。
県内の空き家が増加傾向にある中、空き家を適正に管理し、利活用を促進することは大変重要です。
これまで県は、市町村が空き家の利活用を円滑に進められるよう、先進自治体の成功事例を情報提供するとともに、自ら「空き家活用モデル事業」を実施するなどの支援を行ってきました。
こうした中、最近では、空き家を飲食店やシェアオフィスの用途で活用したいといった声も多く聞かれるなど、利活用に対するニーズが多様化しています。
一方、地域によっては、建築基準法により、建物の用途を住宅以外に変更することが制限されており、空き家の利活用を進める上で、課題の一つとなっています。
そこで国は、今年の6月に「空家等対策の推進に関する特別措置法」を改正し、空き家の利活用が一層促進されるよう、制度の見直しを行いました。
具体的には、空き家の分布状況などから、空き家の活用を積極的に進めようとする区域を、市町村が指定することにより、建物の用途を住宅以外にも変更できるようにするもので、それぞれの地域の実情に応じた利活用が進むことが期待されます。
そこで県は、今後、国から示される政省令や通知などを踏まえ、市町村を対象とした説明会を開催し、新たな制度の活用に向けた理解促進を図ります。
また、市町村から空き家活用の具体的なニーズを伺いながら、区域指定の考え方や利活用のポイント等をまとめたマニュアルを作成し、市町村が円滑に区域指定を行えるよう支援していきます。
県は、今後とも、こうした取組を進めることで、空き家の利活用の促進に努めてまいります。私からの答弁は以上です。
細谷議員 再質問:
空き家の利活用の実務を担う市町村に法改正による新たな制度の理解を深めてもらうことは重要であります。
一方、空き家の利活用を促進していくためには、実際に空き家の売買や賃貸に関わる不動産事業者にも、同様に理解を深めていただくことが効果的であると思います。
そこで、県として、不動産事業者に対する新たな制度の周知について、どのように考えているのか見解を伺います。
黒岩知事 再質問答弁:
再質問についてお答えします。不動産事業者に対する周知についてであります。
空き家の利活用を促進していくためには、空き家の所有者と、空き家を利用したい、人をつなぐ、不動産事業者の方々の協力を得ることが大事だと考えております。
そこで県は、市町村だけでなく不動産団体も参画する「神奈川県居住支援協議会」において、法改正による新たな制度の周知を行い、市町村と関係団体が連携して、空き家の利活用を促進できるよう取り組んでまいります。答弁は以上です。
(要望)
今回の法改正は、空き家の使われ方の範囲を広げ、利活用を促進していくものと期待している。しかし、例えば空き家が店舗などに使われることにより、不特定多数の方が地域に入ってきて、これまでの生活環境を損ねてしまう可能性も考えられるため、そうした点も市町村の考えをよく理解しながら空き家の利活用の促進に取り組むことを要望いたします。
また、法改正の内容については、市町村だけでなく、空き家を実際に扱う不動産事業者が理解することで、さらに利活用が促進されると思われるので、しっかりと周知を進めることを要望いたします。
さらに、空き家の利活用に加え、そもそも空き家を発生させない未然防止の取組も重要であります。県では、これまで自宅のエンディングノートである「空き家にしない「わが家」の終活ノート」というものを作成するなど、独自の取組を進めてきたことは承知しておりますが、今回の法改正で未然防止策等も拡充されたと聞いていますので、空き家対策を担う市町村をしっかりと支援し、空き家問題の解消に取り組んでいただきますよう要望いたします。