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9月20日一般質問「県央やまなみ地域における鳥獣被害対策の広域連携について」

9月20日令和5年第3回定例会での難波達哉県議による一般質問を掲載させていただきます。

以下が内容です。

 

難波達哉議員 質問:

本県に生息しているサルの群れは、市町村域を越えて行動している場合も多く、県央やまなみ地域では、厚木市、伊勢原市、清川村の境をまたいで行動している群れもいる。

そのため、それぞれの市や村が個別に追い払いを実施しているだけでは、被害が軽減しないのではないかと思う。

より効果的な対策を進めるためには、同じサルの群れが出没する市町村が連携して取り組むことが必要と考えており、今回の広域連携強化を契機として、サルの被害対策が進むことを期待しているが、そのためには、広域自治体である県の果たす役割は大きいと考える。

そこで、県央やまなみ地域の市町村域を越えて行動し被害を発生させているサルの対策について、今後、県はどのように進めていくのか、見解を伺う。

 

環境農政局長 答弁:

環境農政局関係の御質問にお答えします。

県央やまなみ地域における鳥獣被害対策の広域連携についてお尋ねがありました。

本県では、相模川以西の山地の麓に複数のサルの群れが生息しており、その多くが丹沢山地東部の県央地域で生活しています。

これらの群れは、いずれも人里に近い場所で生活しているため、恒常的に農作物被害が発生しています。

このため県は、ニホンザル管理計画を策定し、サルを人里から遠ざける追い払いや農地への電気柵設置など、市町村等が行う対策を支援してきました。

また、群れごとに管理方針を定め、人里への執着が進行してしまった群れの全頭捕獲なども市町村と連携して実施しています。

こうした取組により、10年前には21群約1,000頭いたサルは、現在14群約500頭に減少し、農作物被害も減少しています。

しかしながら、全頭捕獲によりサルの群れがいなくなった場所に、隣の群れが行動範囲を広げて侵入し、再び被害が発生するという問題が生じています。

厚木市、伊勢原市、清川村をまたいで行動している群れでも、こうした状況が発生しており、これまで市と村それぞれが行ってきた対策だけでは、人里への出没の抑制が困難となっています。

そこで県は、県央やまなみ地域における広域連携の仕組みの中で、この2市1村をまたぐ群れへの対策が効果的に進むよう支援していきます。

具体的には、市と村の協議の場に、県から県央・湘南地域の県政総合センターと「かながわ鳥獣被害対策支援センター」が参画し、群れを追い払う方向や電気柵の設置場所について助言指導を行うなど、広域連携のメリットを生かした対策を進めます。

県は、今後も、効果的な鳥獣被害対策を行い、人と野生鳥獣の棲み分けを図り、地域の方々が安心して暮らせるよう取り組んでまいります。

 

(要望)

県央やまなみ地域においても、関係市町村が効果的に連携して鳥獣被害対策に取り組むためには、サル対策への技術支援を始め、県の継続的な参画が必要であると考えています。質問で触れたツキノワグマについても、近年人里への出没が増えており、先般6月20日には厚木市においてもシカ・イノシシ用の「くくりわな」に体長127cmのメスのツキノワグマが掛かってしまった事案が発生いたしました。本来であれば人が怖いことを学習させて奥山に放獣することになっておりますが、放獣先を確保できなかったために、やむを得ず捕殺したところであります。クマは、行動範囲が広いため、広域での情報収集と関係市町村への迅速な情報提供、適切な対策の実施が必要だと考えております。放獣先等をはじめとする諸課題があることは認識しておりますが、県においては、的確に情報を把握して地域に寄り添った対策を引き続き進めていただくよう要望いたします。